三重県社会保険労務士会
会長 若林正清
当会のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
この3年ほどのコロナ禍において、あらゆる価値観や行動様式が大きく変化し、多くの企業が未曽有の危機に直面しました。このような状況下において、我々社労士は、雇用調整助成金などコロナ関連の手続きや相談において、使命感を持って取り組みを進めてきたところです。一方、働き方改革に関しては当初は法律改正対応という視点が強く、「時間外労働の上限規制」、「同一労働同一賃金」への対応が中心でしたが、労働力人口の減少を背景として企業の人手不足が深刻化する中、法改正対応にとどまることなく、一人ひとりの社員が主体的に仕事に向き合うことのできる、働きがいのある職場づくりへの対応が求められています。
また、政府は「新しい資本主義」を政策に掲げ、特に企業における人的投資の見える化を図るため、非財務情報開示を推進しています。この非財務情報に関して、社労士が携わる側面から紐解いていくと、社員の健康、ワークライフバランス、ダイバーシティといった事項を含む人的資本情報の開示の重要性は、企業規模・業種を問わず、今後高まるものと思われます。昨今、人的資本の充実が謳われる時代、生産性の向上を図るため、働く人たちのモチベーションアップに社労士も大いに貢献していきたいと思っております。
人的資本の充実に向けては、今も昔も資質向上が肝要であり、これまで企業は社員に長く勤めてもらい、必要な能力を社内で身に付け、ジョブローテーションにより能力を高めてもらうということを考えてきました。社員も一つの企業に長く勤務し、そこで通用する能力を身に付けておけば良しとしてきました。しかし現在は、広く社会で通用する能力を身に付けたいと考える社員も多くなり、企業においては既存の技術やサービスだけではなく、イノベーションを起こせるような人材を必要としていることから、社会全般に通用する高い専門能力を身に付けるためのリスキリング、学び直しへの投資が注目されています。
「人を大切にする企業づくりから、人を大切にする社会の実現へ」、社労士はいつも現場に近いところにいます。是非とも、お近くの社労士にお声がけいただければ、幸甚に存じます。